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伝統構法について [伝統構法]

 伝統構法の特徴を一言でいうと、それは柱に太い貫(ヌキ)を通すことです。縦に伸びた柱と柱をつなげるのは、金具でもそのほかの製作物でもなく、柱と同じ性質をもった木材です。意外に思うかもしれませんが、その貫によって建物が地震や風などの横からの力に粘り強く抵抗します。

RIMG2011.jpeg

 すべての柱が互い貫で繋がり建物に対する大きな力を分散させる機能を持ちます。そして柱を貫通する「貫」は建物が崩壊するのを防止します。とても大きな地震で傾いても崩れることがない人命が助かる造りです。

 在来工法は筋交いが地震などに抵抗しますが、大きな地震の場合筋交いが折れてしまい、建物が倒壊する壊れ方をします。設計で考えていた以上の地震にあうと1階が潰れてしますような壊れ方をします。

構造計算では筋交いの数を考えればよいので楽です。貫は複雑なので、伝統構法は構造計算がなかなか確立しませんでした。また明治維新以後、国家は近代化を急速に進めるためにも西欧文化を積極的に取り入れてきました。西欧では建物の「壁」構造強度として重要視したので、日本の伝統的な寺院や仏閣などは、壁がほとんど見当たらないため、伝統構法は遅れたものとみなしてしまいました。結果伝統構法の構造計算は非常に遅れていました。

 近年ようやくコンピュータによる分析技術も向上し、実験装置も著しく進歩してきて、やっと伝統構法の構造を分析することができるようになりました。時代の流れの中で不当に評価されなかったことがやっと日の目を見ようとしています。

ホームページには問答形式で纏めています。
まだまだ解りにくい点があるので今後も手直ししていきますが、
感想など頂けると勉強になります。

http://homepage2.nifty.com/syotaku/syokai01.html
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toyo

じっくり読ませていただきます。
伝統構法の構造を分析する・・ことって、とても大事だし意味あることだと思います。ありがとうございます。
by toyo (2010-12-20 14:34) 

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